登別のフンベサバ(のぼりべつ の ふんべさば)

登録タグ アイヌ民話 登別のフンベサバ
登別のフンベサバ

『フンベサバ』とはアイヌ語で『鯨(くじら)の頭』という意味です。
 昔々、太平洋には『ショキナ』という物凄く巨大な鯨(くじら)がいました。

  化け物鯨『ショキナ』は、アイヌの漁民たちが出漁する度に、
 そのすべての船舟を巨大な口で丸呑みにしてきたので、
 アイヌの漁師は恐ろしさのあまり漁に出れなくなってしまいました。
 
  海の神はアイヌの民を何とか助けてあげたいと思いましたが、
 海の神さえ恐れるほどの大化物の鯨(くじら)です。
 
  そのため、海の神は鯨(くじら)退治に戦上手のかわうその神に頼みました。
 気の好いかわうその神は神剣を腰にさして鯨(くじら)退治に向かいましたが、
 逆に巨大な化物鯨『ショキナ』に追い廻され、太平洋の隅から隅へと逃げ廻り
 遂に北海道の登別の沖合まで逃げてきました。
 
  そして息もたえだえになったかわうその神は登別の神のひとりに
 『どうか力を借りたい。化物鯨(くじら)を倒す剣を貸してくれまいか?』
 と必死に助けを求めました。
 そのかわうその神に登別の神は不思議そうに
 『あなたは腰に神剣をさしているではないですか。それを使えばいいのではないですか?』
 と言いました。
 
  かわうその神はあわてていたので自分の腰の神剣のことをすっかり忘れて逃げ廻っていたのです。
 かわうその神は腰の神剣を抜いて、勇気百倍、海獣『ショキナ』に立ち向かいました。
 
  そして、悪戦苦闘の末、やっと鯨(くじら)を退治することが出来ました。
 かわうその神は忘れていた腰の剣のことを教えてくれた登別の神に、お礼として『ショキナ』を二つに斬って
 頭の方を置いていきました。
 
  これが、小さな山として残ったのが、現在の登別の『フンベ・サバ』です。

コメント

2016,05,03 - 21:26へびちゃん
はじめまして。マンガ日本むかし話でも見ました。暗い話かなぁと、ネガティヴ気分で見始めたのですが(見始めてしまうと、最後まで見ないと体に悪い)、映像もポップでキッチュ(ごめん!)、話も落語感覚な流れ。これは面白い! 爆笑!最後はめでたしめでたしで、まあなんとか良い形でおさまったね。そんなノリで楽しかったです。しかし、そんなどでかい鯨って⁉︎まあ、昔は大蛇だの、大イタチだの、大狸だの、大ムカデに大グモ、はては大蟹や大ダコなんかが出たなんて昔話が、全国津々浦々ありますからねえ。どでかい鯨が居ても不思議はないでしょう。今そんなのが出て来たら、ゴジラ級に怖いかも?
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