タプコプの知恵者(タプコプ の ユカラクル)
鵡川という川の水源には、タプコプ(アイヌ語で『瘤(こぶ)』という意味)と呼ばれる
険しい山があります。
言い伝えでは、この山頂には天地の神々が集まって遊ぶところといわれているそうです。
昔、ひとりの老人が神々の遊びを見たいと好奇心から、タプコプの山頂に苦労して
登りました。
やがて、夜になり、大きな月が出る頃、神々が集まり、いろんな遊びに興じました。
しばらくして、老人の存在を神々は気づき、珍しい訪問者の登場に喜びました。
老人は、誘われるがまま、神々と遊びに興じ、つかの間の一時を楽しみました。
やがて、空が白み始め、会がお開きになろうとする頃、神々は老人に
『今日は、お前さんがきたおかげか、いっそう盛り上がったよ。
お礼になにかプレゼントしよう。』と言って、アイヌ語で
『シピリカコンルシュイ(美しい顔になりたいか)?
シウインコンルシュイ(醜い顔になりたいか)?』と尋ねました。
日頃から喋るのが苦手だった老人は、あわてたので、
『シピリカコンルシュイ(美しい顔になりたい)』というはずが、
『シュークルカコンシュイ(雄弁になりたい)』と答えてしまいました。
それ以来、口下手な老人は、急に雄弁な物識りになって、
人々から『ユカラクル(アイヌ語で知恵者の意味)』と呼ばれ、尊敬されたそうです。
険しい山があります。
言い伝えでは、この山頂には天地の神々が集まって遊ぶところといわれているそうです。
昔、ひとりの老人が神々の遊びを見たいと好奇心から、タプコプの山頂に苦労して
登りました。
やがて、夜になり、大きな月が出る頃、神々が集まり、いろんな遊びに興じました。
しばらくして、老人の存在を神々は気づき、珍しい訪問者の登場に喜びました。
老人は、誘われるがまま、神々と遊びに興じ、つかの間の一時を楽しみました。
やがて、空が白み始め、会がお開きになろうとする頃、神々は老人に
『今日は、お前さんがきたおかげか、いっそう盛り上がったよ。
お礼になにかプレゼントしよう。』と言って、アイヌ語で
『シピリカコンルシュイ(美しい顔になりたいか)?
シウインコンルシュイ(醜い顔になりたいか)?』と尋ねました。
日頃から喋るのが苦手だった老人は、あわてたので、
『シピリカコンルシュイ(美しい顔になりたい)』というはずが、
『シュークルカコンシュイ(雄弁になりたい)』と答えてしまいました。
それ以来、口下手な老人は、急に雄弁な物識りになって、
人々から『ユカラクル(アイヌ語で知恵者の意味)』と呼ばれ、尊敬されたそうです。